(3) バイオトロンブリーディング法を用いた胴割れ米発生機構の解析
イネは圃場や温室で育成させるため、冬期の育成や人工交配に課題がありました。また、野外環境に左右されるため、再現性のある安定した栽培実験を組むことが困難でした。我々は、高性能の人工気象器を用いてこれらの問題点を解決し、年6世代の戻し交配を可能にするバイオトロンブリーディング法を開発しました(Ohnishi T., et al, PCP 2011)。こうした新しい方法論を用いて、近年の地球温暖化に伴い問題となっているイネの高温登熟、特に胴割れ米の問題を研究しています。具体的には、厳密に制御された人工気象器内で胚乳発生のステージを追ってヒートパルス実験をすることなどにより、温度に脆弱な分子機構の同定を目指しています。