おしらせ

木下グループがイネ胚乳の生長を制御する遺伝子を同定

『The Plant Cell』に掲載 〜受粉無しでデンプンを蓄積〜

 

木下先生、岩手大学 殿崎先生(前 横浜市立大学 特任助教)らの研究グループが、イネの可食部にあたる胚乳の発生に関する研究から、デンプン合成を含めお米の生長を制御している遺伝子を同定することに成功しました。

イネの花粉は環境の影響を受けやすく、例えば気温が低い際には花粉が正常に形成されず冷害の主要因になることが知られています。本研究をさらに発展させることで、花粉を用いることなく充実した胚乳(お米)を作ることのできる品種を開発できれば、環境変化に左右されることのない安定したお米の生産が可能になると期待されます。

本研究は『The Plant Cell』に掲載されました。

 

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丸山先生の研究が 「学術変革領域研究(B)」に採択

丸山先生の研究が 革新的学術研究の創成を目指す科学研究費助成事業「学術変革領域研究(B)」に採択されました

 

学術変革領域研究(B)は、次代の学術の担い手となる研究者による少数・小規模の研究グループ(3~4グループ程度)が提案する研究領域が、より挑戦的かつ萌芽的な研究に取り組む科学研究費助成事業の枠組みです。

採択される研究はいずれも、学問分野に新たな変革や転換をもたらすことで、我が国の学術水準の向上・強化につながる研究領域の創成を目指し、革新的・独創的な学術研究の創成が期待されるものです。

丸山先生が代表として率いる領域研究「植物生殖改変 細胞運命操作による植物生殖システムのリモデリング」は、本年度の採択課題である全20領域のうち、唯一の植物研究の領域です。

 

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丸山先生の研究がPlant and Cell Physiology誌に掲載

丸山先生の関わる研究がPlant and Cell Physiology誌に掲載されました。

新学術領域研究の西川班、丸山班および東山班の共同研究で、正常な胚乳形成には受精とカップルした精核融合が必要であることを明らかにしました。

本研究では、小胞体分子シャペロンHsp70であるBiP、およびその制御因子である小胞体Jタンパク質に関する変異株が示す種子形成異常の原因を明らかにするため、ライブイメージング解析を行いました。その結果、これら変異株の雌性配偶体では、受精後に中央細胞における精核融合が欠損していることが明らかとなりました。融合しなかった精核は、最初の胚乳核分裂の際に中央細胞核と融合します。しかし、クロマチンが凝縮したままの精核が分裂過程の核と融合するため、その後の胚乳核分裂が異常となることが明らかとなりました。本研究は、受精の際に精核融合がおこる意義を初めて明らかにするものであります。本研究の成果はPlant and Cell Physiology誌に背掲載されました。また、本論文は掲載号のResearch Highlightsに選ばれるとともに、本研究に関連する写真が掲載号の表紙に選ばれました。

 

 

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(写真:表紙)
Volume 61, Issue 1, January 2020(写真撮影:丸山大輔博士、横浜市立大学)