おしらせ

バイオマス増加をもたらすF1雑種における代謝物の変化を解明

当研究室の杉直也特任助教、筑波大学生命環境系 柴博史教授、草野都教授(理化学研究所環境資源科学研究センター)、東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 鈴木 穣教授の研究グループは、多数のシロイヌナズナの系統について、交配によって両親よりも優れた形質を持つ「雑種強勢」の表現型発現レベルごとにグループ分けを行いました。これらの代謝物を比較し、雑種強勢の発現レベルに応じて、TCAサイクル(炭素代謝回路)における中間代謝物の産生量が変化することを明らかにしました。

 

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本研究成果は、Scientific reportsに掲載されました。(2023年6月12日)

DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-023-36618-y

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バイオマス増加をもたらすF1雑種における代謝物の変化を解明 | YCU 横浜市立大学 (yokohama-cu.ac.jp)

 

木下哲先生がオーガナイザーを務めるCSHAシンポジウムが開催されました!

当研究室の木下哲先生と奈良先端科学技術大学院大学の伊藤寿朗先生がオーガナイザーを務めるCold Spring Harbar Asia Symposium -Integrative Epigenetics in Plants-が開催されました。木下先生、伊藤先生が参加する新学術領域研究(A)「挑戦的両性花原理」も本会議を共催しました。

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本会議は、2022年12月12日~15日の4日間にわたり、兵庫県立淡路夢舞台国際会議場で開催されました。会議開催当時は中国政府による厳しい渡航制限が課されていたため、中国人参加者約40名はオンライン参加となりましたが、現地会場の参加者は100名を超え、植物エピジェネティクス分野の最前線で活躍されている研究者同士の熱い議論が交わされました。

 

当研究室からは、木下教授、殿崎助教、特任助教の小野先生と杉先生、4年生の上地さん、3年生の櫻井さんが参加しました。

 

口頭発表では、殿崎先生が登壇し、当領域の成果を発表しました。ポスターセッションでの発表件数は参加者の半数以上の75件に上り、そのうち半分以上が学生あるいはポスドク研究者による発表であるなど、次世代を担う若手研究者の活躍が大変目立った大会となりました。

 

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コロナ禍、しかも本邦において感染拡大第8波が始まり海外からの参加者の動向が危惧されていた中で、100名を超える国内外の参加者が、数年ぶりに一堂に介して最新の研究動向についてディスカッションすることができ、改めてオンラインだけでなく対面で議論する事の必要性を感じることのできる有意義な会議となりました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

詳細なプログラムは下記リンクをご確認ください。

https://www.csh-asia.org/?content/1210

 

 

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「The Plant Cell」オンラインアドバンス版に掲載

アクチン繊維が花粉管の誘引を制御する

~助細胞による誘引ペプチド分泌のメカニズムを解明~

 

当研究室 須崎大地特任助教、泉理恵さん(当時大学院生)、丸山大輔准教授らと、名古屋大学 大井崇生助教、武内秀憲特任助教、ケンタッキー大学 河島友和准教授、東京大学 東山哲也教授らの共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、胚珠*1内にある助細胞*2(メス)のアクチン繊維*3が、花粉管(オス)を導くための花粉管誘引ペプチドの分泌を制御することを明らかにしました。

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雌しべの中の胚珠には、雌雄の相互作用に重要な花粉管誘引ペプチドを分泌する2つの助細胞があります。助細胞は繊形装置とよばれる細胞膜と細胞壁が複雑に陥入した特殊な構造から花粉管を誘引する小さなタンパク質(ペプチド)を分泌しますが、その分泌の仕組みは明らかでありませんでした。本研究では遺伝学的、薬理学的手法によって、助細胞のアクチン繊維が誘引ペプチドの極性分泌を担っていることを解明しました。さらに、花粉管の放出で一時的に消失したアクチン繊維が、経時的に回復することを発見しました。これは受精失敗時に残った助細胞が誘引を再開するために働くと考えられます。

本研究成果は、米国の科学雑誌「The Plant Cell」オンラインアドバンス版に掲載されました。(2022年12月23日)

掲載雑誌: The Plant Cell
DOI: 10.1093/plcell/koac371

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